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『罪の手ざわり』 ぜひ!

現在、京都シネマで上映中の中国映画『罪の手ざわり(原題:天注定)』を観ました。中国で実際に起きた4つの事件をもとに作られたオムニバス形式の物語です。監督・脚本のジャ・ジャンクー(贾樟柯)は、この作品で今年のカンヌ国際映画祭最優秀脚本賞を受賞し、「世界三大映画祭を制覇!」と話題になりましたね。映画の情報についてはこちらの公式サイトが詳しいのでご覧ください。

罪の手ざわりポスター

十数年前、中国語を始めたばかりのころ、よく映画館に出かけて中国映画を観ていました。そんな中で出会ったのがジャ・ジャンクー監督のデビュー作『一瞬の夢(原題:小武)』です。私は、それまで観てきた中国映画とは趣の異なるこの作品に、すっかり戸惑ってしまいました。まずは方言です。いまでこそ方言は珍しくありませんが、当時の中国映画といえば「標準語(中国語でいうところの“普通話”)」のセリフが当たり前で、“普通話”を学ぶ者にとって映画はかっこうの教材でした。ところが『一瞬の夢』のセリフはすべて山西方言で、中国語初心者の私にはまったく歯が立ちませんでした。さらに、主人公はぜ~んぜん風采の上がらないケチなスリという設定で、眼福はゼロ。
感動したというわけでもないのに、長い間この映画が心の中に引っかかっていました。以来、ジャ・ジャンクー監督の作品は、みのがしてはならないような気がして観続けています。どれも決して愉快な作品ではないけれど、映画館に足を運ばずにはいられません。急激な高度成長の波が押し寄せる中国に暮らす庶民が、どんなに抑圧された厳しい境遇にあっても、やり場のない痛みと苦しみを抱えながら、(自覚しているか否かにかかわらず)粛々と己の運命を受け止め生きる様から目が放せないのですよね~

『罪の手ざわり』も抑圧された境遇にあえぐ庶民を描いていることに変わりはありませんが、この作品の庶民たちは、己の運命をただ受け止めるのではなく、暴力という形で運命に抗おうとします。中国版のポスターの副題(?)に“三分是命運 七分靠拼命”という言葉があり、「3割は運命、7割は努力(で運命を切り開く)」という意味ですが、原題の“天注定(天の定め)”にこの副題がついているところが実に興味深くもあります。

これが中国語のポスターです。
天注定ポスター

この作品、内容もさることながら映像の色彩が非常に素晴らしいです。特に、中国語のポスターにも採用されている冒頭のこの場面は、トラックから崩れ落ちた無数のトマトの赤がとても印象的です。ポスターより実際の映像のほうが断然ステキですが……
いま思えば、このシーンはこれから始まる暴力の血を示唆していたのでしょう。映像のひとつひとつが力強く、もしかしたらセリフがなくても映画が成立してしまうのではないかと思うほどです。それから、演技巧者ぞろいで作品に説得力が生まれているところも見所です~

京都シネマでの上映は7月4日(金)まで。京都のみなさん、急いでください!





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日中京子

Author:日中京子
中華圏大好きな日中京子と申します♪京都在住です。
日中友好協会のブログを引き継がせていただきました~
中国って知れば知るほど興味がつきない不思議な国ですよね。
日中友好協会のニュースのほかに、いろいろ京子が思ったことつぶやきます。
どうかよろしくお願いします!
日中友好協会のウエブサイトも新しくなりました。

http://www.nichukyoto.gr.jp/

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