2014-06-27 Fri
月曜日15:30の「台湾の文化と中国語」クラスの第2回目(6/23)の授業内容をご紹介します。こちらが担当講師の張原銘老師

毎回、台湾に関する様々なテーマを取り上げ、張老師に解説していただきます。もちろん美味しい台湾茶とお菓子も欠かせません!
本日のテーマは
「東日本大震災への義捐金が200億円を超えた台湾。“世界で一番日本を支援している台湾”それは何故?」です。
本日のお茶は「桂花烏龍茶」です。
「桂花」とはキンモクセイの花ことで、茶葉の中にオレンジ色の花が混ぜてあります。

お菓子は「緑茶密梅」と「牛軋糖」です。

これが「緑茶蜜梅」。梅の緑茶シロップ煮とでもいいましょうか。甘酸っぱくてお茶によく合うこのお菓子は、参加者の皆さんにも大好評でした。そして「牛軋糖」は、いわゆる「ヌガー」のことです。
さて、いよいよ本日のテーマについて張老師の解説です。
東日本大震災後、台湾から寄せられた義捐金は200億円以上で世界最多といわれています。
人口はアメリカの10分の1、平均年収は200万円以下の台湾から、何故これほどの支援があったのでしょうか?
その理由を張老師は4つ挙げてくれました。
その1 日本への恩返し
1999年9月21日に台湾中部で起きたM7.8の大地震の際、日本から救助隊と多額の義捐金がおくられたことへの恩返しの気持ちをこめ、台湾の被災者たちは東日本大震災の発生後、いちはやく募金活動を開始しました。
その2 台湾メディアによる東日本大震災の素早い伝達
台湾のケーブルテレビには日本のテレビ番組をそのまま放送するチャンネルがいくつかあり、リアルタイムで日本の報道を見ることができます。
その3 著名人による募金の呼びかけ
大企業の経営者から芸能人、総統までもがテレビで公開募金を呼びかけました。2011年3月18日の夜には、被災者を支援しようと、台湾の各テレビ局が合同でチャリティー生番組を放送。この番組には、馬英九総統や200人以上の台湾の芸能人がノーギャラで参加し、募金を呼びかけました。その結果、番組終了までに7億8800万台湾元(日本円で21億円余り)の義捐金が寄せられ、台湾赤十字を通して日本におくられたそうです。
その4 根底にある親日感情
張老師は、これが最大の理由ではないかとおっしゃいます。
台湾人の親日感情を語るときに、「日本は台湾のインフラを整備した」という話をよく耳にしますが、その一つに烏山頭ダムがあります。1930年に日本人技師、八田與一の指揮のもと築かれました。さらに八田は総延長1万6000キロに及ぶ用水路を整備。それにより台南は穀倉地帯に生まれ変わりました。その功績は台湾の教科書にも載っています。
台南出身の張老師の自宅前にもその用水路は流れていて、幼少時にお父さんが「日本人は立派だ。日本人のおかげで台湾は豊になった」と常々口にすののを聞いていたそうです。
授業ではさらに2013年3月30日付の『産経新聞』の記事が紹介されました。台南市が仙台市に義捐金をおくり、80年越しで八田與一の恩を返したという内容です。もともと七夕祭などの縁で仙台市と交流促進協定を結んでいた台南市では、震災後に「送愛到仙台(仙台に愛を送ろう)」を合言葉に募金運動が始まり、義捐金は1億7000万円に上ったそうです。

これは八田與一のメモクリップ。こういうお土産物があるほど台湾では有名人のようです。
これら台湾からの支援に対する日本側の反応として、嵯峨の観光鉄道会社が設置した台湾人への感謝の言葉が書かれた看板が紹介されました。

張老師は“善的循環(善意の循環)”という中国語こそが、いまの日本と台湾の関係を象徴しているといいます。台湾から多額の義捐金を受けた日本では、その後、台湾に行ってみたい、お礼を言いに行きたいという人が増えたとか。
張老師の話を聞いていると、無性に台湾に行きたくなりますね~
この講座は月曜15:30~17:00
参加費は1回1500円で申し込みは不要
どなたでも自由にご参加いただけますので、お気軽にお越しください。
次回は6月30日(月)15:30~
テーマは「2014年のGW、日本人の海外旅行人気ランキング一位は台湾。台湾の魅力は何だろう?」
その他の講座についてはこちらをご覧ください。
申し込み、問い合わせは日中京都まで。
2014-06-23 Mon
6月21日の土曜日に日中京都中国語教室の女子会を開きました~実はこの女子会、すでに2回目の開催です。
そもそも、なぜ女子会なのか。
今年3月の中国語教室の修了式で、日中京子が受講生のYさんに「日中京都の中国語教室をもりあげたいんですよね~なんか楽しい中国語関連のイベント開けませんかね~」と持ちかけたことが始まりです。数日後にYさんから「イベントは思いつかないけど、とりあえず女子会でも開きます~?」と提案があり、「女子会ですか。なんだか時流に乗れてる感があってイイですね~」と、すぐさま賛同。翌月の4月8日には8人のメンバーが集合し、めでたく最初の女子会が開かれたという次第です。
ちなみに、このブログは第1回女子会での「ブログでも書いてみたら〜?」という皆さんの思いつきに始まり、いまに至っております。
今回は新しいメンバー4人を含む8人の参加がありました。
場所は三条界隈のピザ屋さん。

美味しい料理を食べながら、普段は顔を合わせることのない他のクラスの受講生や老師と話すのは本当に楽しいものです。「中国語」という共通の話題があるだけで、いつまでも話はつきません。
中国語学習の動機をたずねてみても、それぞれに面白い中国語との出会いがあって、本が書けるのではないかと思うほどです。
この女子会は、日中京都中国語教室に関わっている「女子」なら、受講生でも講師でも、元受講生でも未来の受講生でも大歓迎です!
さて、次はどんな美味しいものを食べに行きましょうか?
2014-06-17 Tue
どなたでも一コマから受講できるオープンな講座として、月曜15:30の「台湾の文化と中国語」クラスが今日(6/16)から新しくスタートしました。
担当講師は台湾出身の張原銘老師
約20年前に「阿里山」の近くから京都にやってきたという張老師は、おだやか~に流ちょうな日本語を話されます。そして中国語もおだやか~な感じです。
この講座では、知っているようで意外と知らない台湾を深く知るために、毎回テーマをもうけて張老師に解説していただきます。(前期6回分のテーマについては、こちらのページをご覧ください)
そして何よりの楽しみは、毎回、張老師がいれてくださる香り高い台湾茶と美味しいお菓子です。
張老師いわく「講演会ではないので、お茶を飲みお菓子を食べながら、僕のヘンな日本語(謙遜です!)を聞いてください」とのことです。
今日テーマは「台湾にはなぜ親日家が多いのか?“哈日族”をはじめ若者から高齢者まで親日的な人が多いのはなぜだろう?」
と、その前に今日のお茶は“高山茶”、お菓子は落花生と砂糖を原料に作られた伝統菓子“貢糖”です。「貢」という字からも想像できますが、これは明代に皇帝に献上されたお菓子で、金門島で作られる“金門貢糖”が有名なのだとか。
さてと、本題。
まず、テーマにあげた“哈日族”は、「ハーリーズゥ」と読み「日本ファン」という意味ですが、“哈”の字は台湾語です。
“哈日族”の出現は李登輝氏の総統就任が要因なのだそうです。
1988年に李登輝氏が総統に就任。戒厳令が解除され、それまでの国民党による反日教育を見直し、専門家が日本をめぐる近代史を検証し歴史教科書に書き加えました。そうして日本のサブカルチャーがテレビで放映されるようになったことで、日本に好感を持つ人が増えたのだといいます。
現在は、台湾のテレビ80~90チャンネルのうち、4~5チャンネルは24時間日本のドラマや温泉・グルメ番組を放送しているそうです。
また、歴史的に「親日」の土壌が作られたことも台湾に「親日家」が多い理由の一つです。
戦前、日本政府が台湾を領有した50年間は、もちろん弾圧や搾取や不平等はあったものの、台湾の教育・医療・インフラ整備などに貢献したことはよく知られています。
さらに、「愛日家」を自称する蔡焜燦氏の「日本精神(台湾語でリップンジンシンと読む)」の紹介もありました。
これらの解説を聞きながら、受講者が自由に質問をしたり意見を述べたりと、とても有意義な90分でした。
質問の中には厳しく鋭い内容もありましたが、張老師はご自身の考えを誠実に伝えておられました。
この講座は月曜日15:30~17:00
参加費は1回1500円で申し込みは不要
どなたでも自由にご参加いただけますので、お気軽にお越しください。
次回は6月23日(月)15:30~
テーマは「東日本大震災への義捐金が200億円を超えた台湾。世界で一番日本を支援している台湾。それは何故?」
※チラシでは「2014年のGW、日本人の海外旅行人気ランキング一位は台湾。台湾の魅力は何だろう?」となっていますが、今日の“哈日族”との関連から30日(月)のテーマと入れかえます。ご了承ください。
その他の講座についてはこちらをご覧ください。
申し込み、問い合わせは日中京都まで。
2014-06-14 Sat
今日ご紹介するクラスは、火曜・昼の「テレビドラマとシナリオ」です。担当講師は西岡愛子老師
西岡老師は以前、日中京都の中国語教室で講師をされていた方で、今期より再びクラスを受け持っていただけることになりました。西岡老師によると「中国語学習者にとって、中国映画はおなじみだが、実はドラマもすごくおもしろい」とのこと。
そこで、このクラスでは、「中国で製作された連続テレビドラマを見ながら、全セリフを忠実に和訳して楽しむ」ことを目的に授業が進められています。
テキストは、ななナント西岡老師が、ドラマを見ながら一字一句書き写した手作りプリントのコピーです。
このクラスで教材とするテレビドラマは、2005年に中国で放送され大きな反響を呼んだ
『深呼吸』全25話です。
主演は蒋雯丽と李幼斌。
蒋雯丽は、中国で数々の映画やドラマに主演し、ほぼ毎年なんらかの賞を受賞している大女優ですが、1995年にNHKで放送された『大地の子』の主人公の妻・江月梅の演技を懐かしく思い出される方も多いことでしょう。
一方の李幼斌は、日本ではあまり知られていませんが、中国ではかなり有名な俳優さんだそうです。中国人の友人に聞いた話によると、この『深呼吸』と同じ2005年に放送された抗日ドラマ『亮剑』で一躍人気が出て、その後は出演ドラマ1話につき60万ギャラを得ていたそうです。
このドラマの主題は環境問題です。製薬会社からたれ流される汚染水により健康を害した市民、汚染の隠蔽を謀る企業、それに立ち向かう主人公といった構図でドラマが展開すると思われます。
授業では、まずドラマの映像を切りのいい所まで見ます。次にその中のセリフをテキストと照らし合わせながらすべて訳していくというスタイルです。訳は、意訳ではなく直訳をこころがけているそうです。そうして口語的表現、慣用句、成語にも慣れていくことが大切だと西岡老師はおっしゃっていました。
授業は火曜日13:00~14:30です。
初級以上のレベルの方が対象です。
現在は、まだ第1話の最初のあたりを訳しているところですので、いまからでもまだ間に合います。
これまでのあらすじ等、丁寧にご説明いたしますので、まずはお気軽に見学にいらしてください!
その他のクラスのご案内はこちらをご覧ください。
申し込み、問い合わせは日中京都まで。
2014-06-01 Sun
いつから中国語のテキストは“吃了吗?”を中国人の一般的な挨拶として紹介されるようになったのでしょうか。
これは全く根拠の欠けた話である。
そもそも“吃了吗?”北京及び北京周辺地域の下町に住む庶民たちの日常用語にすぎない。“你好”(本当は“您好”だ)などと全く違う。日常的に使われていて、挨拶のように聞こえるが、そのままの意味である。つまり「(ご飯)食ったかい?」の意味である。
凡ての人が使っていたのではなく、年配の女性や男の人くらいしか使わない。若い女性や子供にはまれに聞こえる。言い換えれば、これは余り上品な挨拶の仕方ではなく、若い女性が言うのが恥ずかしいと思うのだ。
なぜ“吃了吗?”を言うのでしょう。これは清の末頃からでしょうか、満足に食べられなかった時代の名残である。あの頃、人々は一日頑張って働いて、ただただ家族に一日一度だけでもまともなご飯を食べさせるのに精一杯だった。なので、「食べる」ことは、むしろ一日を安らかに過ごせたという象徴に化していた。このような日々を過ごして、“吃了吗?”はつまり「いかがお過ごしでしょうか」とほぼ同じ意味に成っていた。
北京の下町に住む人々は、苦しい日々で精一杯頑張っていきていき、互いに会うときに“吃了吗?”の一言で暖かく励まし合うささやか表現だったでしょう。
“吃了吗?”は苦しかった日々の名残というべきでしょうか、思い出というべきでしょうか。
私にも保育園に通ってたわずかな間、住んでいた四合院におばちゃんやおじさんたち互いに“吃了吗?”で世間話を始めていた光景の記憶が微かに残っている。北京の下町の普通の雑居四合院の風物詩でしょうか。
というわけで、私は“吃了吗?”の物語も知らないまま、何気なく軽い気分で“吃了吗?”で挨拶してほしくないし、されても答えたくないという一北京人の気持ちを持っている。
“吃了吗?”を挨拶代わりに使わないでください。
P.S. 最近中国語テキストはどうも北京弁に積極的に接近している模様。例えば、何も説明もないまま、“好好儿“,”“吃了吗”,“玩儿”,“一会儿”などなどが書かれている。これらはもともと標準語ではなく、北京弁である。ただ、NKは方言を標準語に取り込んで行くことには反対しないが、方言由来であることが周知する必要がある。その方言の独立性を保つ必要もあると思う。
2014-06-01 Sun
今日から6月ですね~みなさんいかがお過ごしでしょうか。
先日、FM大阪のとある番組に俳優の阿部力さんがゲスト出演されていて『アナと雪の女王』の主題歌「Let it go」の中国語バージョンを紹介していました。
あの有名なフレーズ「ありの~ままの~」の部分にさしかかった時です。
「スイタ~バ~スイタ~バ~」と聞こえてきて、おや?と思いました。
私が以前耳にしたバージョンは「ファンカイショゥ~ファンカイショゥ~」だったのです。
そこで色々調べてみると、この曲には大陸版・台湾版・香港(粤語)版の3種類が存在していました。
ラジオで聞いた「スイタ~バ~スイタ~バ~」は大陸版で「随它吧~随它吧~」と、
もう一方の「ファンカイショゥ~ファンカイショゥ~」は台湾版で「放開手~放開手~」と歌っていたのでした。
香港版はもちろん広東語(粤語)です。その部分の歌詞は「忘掉那~無形鎖~」となっていて、単なる繰り返しではなくガッツリ翻訳したという印象です。
また曲の題名についても、大陸は「随它吧」、台湾はそのまま「Let it go」、香港は「冰心鎖」と違いがあるうえ、映画の題名も、大陸と台湾は『冰雪奇缘』で香港は『魔雪奇緣』と、地域ごとに個性が出ていておもしろいですね~
てなことをごちゃごちゃ言っている私ですが、まだ映画を観ていません。
混雑がおさまったら観に行こうと思っているうちに、いつも話題作を見逃してしまうのですが、今回のブームはまだ続きそうなのでのんびり構えています。(日中京子)